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墓じまいで必要なお布施とは?
墓じまいを進めるうえで避けて通れないのが「お布施」です。
お布施は宗教的な儀式やお世話になったお寺・僧侶に対して感謝の気持ちを表すためのものであり、「決まった料金」ではありません。とはいえ、何に対して、どのようなタイミングで、どの程度の金額を用意するべきか、分かりづらいと感じる方も多いでしょう。
墓じまいでお布施が発生する主なタイミングは以下の3つです。それぞれの意味と注意点を詳しく解説します。
閉眼供養のお布施
閉眼供養(へいがんくよう)は、墓じまいの工程でまず行われる、非常に重要な儀式です。仏教の考えでは、墓石には亡くなった方の魂が宿っているとされます。墓じまいによってお墓を撤去する前に、この魂を仏の世界へとお還しし、墓石を「ただの石」に戻すための供養が必要なのです。
この儀式は、お墓の前で僧侶に読経してもらうことで行われます。閉眼供養のお布施は、この読経への謝礼であり、同時にご先祖様への敬意を表す意味も持っています。金額の相場は3万〜10万円ほどですが、お寺とのお付き合いの深さや地域の慣習によって前後することがあります。
たとえば、長年にわたって先祖代々のお世話になってきたお寺であれば、より丁寧に金額を包む傾向があります。反対に、ネット経由で初めて依頼する僧侶であれば、3万〜5万円程度に収めるのが一般的です。迷ったときには、率直に「相場がわからず不安です」と相談してみると、やんわりと目安を教えてくれることもあります。
離檀に伴うお布施(離檀料)
離檀料(りだんりょう)とは、菩提寺の檀家(だんか)を辞める際に渡すお布施のことです。菩提寺とは、代々お墓を預かってくれていたお寺のことで、葬儀や法要をお願いしてきた関係性がある場合がほとんどです。
墓じまいを行うということは、同時に「そのお寺との関係を終了する」ことを意味します。これまでの供養や管理、寺院への出入りなどでお世話になったことへのお礼として、離檀料を包むのが一般的です。
金額の相場は10万円〜30万円と幅があります。これは、お寺によって考え方が異なるためで、なかには「お気持ちで構いません」として金額を明示しないケースもありますし、逆に「20万円以上を目安に」と明言される場合もあります。
注意したいのは、閉眼供養のお布施とは別に渡すのが原則という点です。両者をまとめて「一括で包んでしまう」ことは、受け取る側にとって失礼とされることもあるため、それぞれに分けて用意しましょう。
また、離檀料の受け取りを辞退するお寺も近年では増えつつあります。とはいえ、寺院側の姿勢や過去のご縁によっては、金額に気を配ることが円満な離檀につながる場合もあります。心配であれば、事前にやんわりと確認しておくことをおすすめします。
新しい納骨先での法要にかかるお布施
墓じまいを行ったあと、取り出した遺骨をどこに納めるかは人それぞれです。最近では、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、合同墓など選択肢が増えています。どのような形であっても、多くのケースで新たに納骨を行う際に、再び僧侶による法要を依頼することになります。
たとえば、新しいお墓に魂を入れる「開眼供養(かいげんくよう)」や、納骨の際の「納骨法要」などがこれにあたります。これらの儀式においても、お布施を用意するのが一般的です。
金額の目安としては、3万円〜5万円程度が多く見られます。こちらも僧侶が読経してくださる内容や時間、寺院との関係性によって変動することがあります。
一方、散骨や手元供養のように、読経や儀式を伴わない供養方法を選んだ場合は、僧侶に依頼をしなければお布施は不要です。ただし、散骨の前に自宅などでお別れの読経をお願いする場合には、その分のお布施を別途用意する必要があります。
また、納骨先によっては、供養の一環として年に数回の合同法要を実施している施設もあります。その際に必要なお布施や管理費なども合わせて確認しておくと安心です。
このように、墓じまいで必要なお布施にはいくつかの種類があり、それぞれ意味やタイミングが異なります。お布施には明確な料金表がないため不安になることもありますが、大切なのは「相場に沿ったうえで、自分の気持ちに正直であること」です。

金額の大小にとらわれすぎず、故人やご先祖様、そしてお世話になったお寺への感謝の気持ちを忘れずに、丁寧に準備を進めることが何より大切です。
お布施の相場はいくら?ケース別に解説
墓じまいにかかるお布施は、関係する儀式や状況によって金額の目安が異なります。
ここでは「閉眼供養」「離檀」「納骨」の3つの代表的な場面に加えて、最近増えている「ネットで僧侶を依頼するケース」についても具体的に解説します。
終活を検討している方や、そのご家族が「どのタイミングで、いくらぐらい包めば良いのか」と迷わないよう、実情に即した相場感と判断のポイントをお伝えします。
閉眼供養のお布施:3万円〜10万円が目安
閉眼供養とは、お墓の中に宿っている故人の魂を抜いて浄土へお送りする儀式です。この際のお布施は、僧侶の読経に対する謝礼であり、ご先祖様への敬意を表す意味もあります。
相場は3万円〜10万円が一般的とされており、金額に幅があるのは次のような背景によります。
- お寺との関係性が深い場合:代々そのお寺にお世話になっていた場合、「最低限の相場以上を包みたい」という気持ちから、5万円〜10万円程度を用意する方が多くなります。
- 地域の風習:特定の地域では「閉眼供養だけでも10万円が相場」とされているところもあるため、親戚や地域の知人に相談してみると安心です。
- お布施の他に必要な費用があるかどうか:お車代(交通費)や御膳料が別途必要な場合、それらとは分けて包むのがマナーですが、総額でのバランスも考慮して金額を決める方もいます。
無理のない範囲で、感謝の気持ちを形にした金額を包むことが大切です。相場より少ない金額でも、失礼にあたることはありません。
離檀料の目安:10万円〜30万円程度
墓じまいを機に菩提寺を離れる場合、これまでの供養や法要への感謝を込めて「離檀料」をお渡しするのが通例です。これは正式なお布施の一種であり、金額には大きなばらつきがあります。
- 10万円〜30万円が相場:一般的には10万円を下限に、30万円までの範囲で包まれることが多くなっています。法要で渡すお布施の2〜3倍を目安に考えるとよいでしょう。
- 寺院の方針で異なる:一部のお寺では「お気持ちで構いません」と金額を指定しないこともあれば、「最低でも20万円以上」と提示される場合もあります。事前にやんわりと確認しておくとトラブルを防げます。
- 金額に納得がいかない場合の対応:中には、相場以上の離檀料を求められ、戸惑う方もいます。そんなときは、第三者を交えて話し合うことで、落としどころを見つけることができます。行政書士や宗教者相談窓口に相談する例も増えています。
なお、離檀料は「閉眼供養とは別に包む」のがマナーです。まとめて渡すのは失礼にあたるとされるため、封筒や表書きも分けて用意しましょう。
納骨先での供養にかかるお布施:3万円〜5万円が一般的
墓じまい後の遺骨の移動先によっても、お布施の金額が異なります。特に納骨に際して僧侶を招いて読経してもらう場合、再びお布施が発生します。
- 開眼供養のお布施:新しい墓地や納骨堂に遺骨を納める前に行う開眼供養では、3万円〜5万円程度のお布施が相場です。
- 納骨法要:永代供養墓や樹木葬などへの納骨時も、3万円前後のお布施が一般的です。読経の時間が短くても、一律で金額を提示されることもあります。
- 供養方法による違い:手元供養や散骨など、僧侶を招かず個人で完結する供養方法では、基本的にお布施は発生しません。ただし、散骨の前に自宅で読経を依頼した場合などは、その都度お布施が必要になります。
新しい納骨先の施設によっては、「年に一度の合同供養」などを定期開催しており、その参加費の中に僧侶への謝礼が含まれている場合もあります。契約時に確認しておくと安心です。
ネットで僧侶を依頼した場合の目安:3万円〜5万円
最近では、インターネットを通じて僧侶を手配するサービスも一般的になっています。お付き合いのあるお寺がない方や、遠方での墓じまいを検討している方にとっては、非常に便利な選択肢です。
- 料金が一律で明記されている:多くのオンライン僧侶手配サービスでは、お布施の金額があらかじめ提示されており、3万円〜5万円前後が標準的です。追加費用が不要なプランもあり、予算が限られている方に好評です。
- 安心して依頼できる仕組み:料金が事前に明示されていることや、クレジットカード決済が可能なこと、万が一キャンセル時の補償があることなど、初めての方でも不安なく利用できるよう工夫されています。
- 地域によっては対応不可のこともある:一部の山間部や離島では、僧侶の派遣が難しいケースもあります。対応エリアかどうか、事前に確認しましょう。
ネット手配の僧侶でも、読経の内容や対応はきちんとしていることが多く、「満足だった」という口コミも増えています。費用の明確さを重視する方には特に向いています。
お布施の金額は「決まっていないからこそ悩む」ものですが、上記のようにケースごとの相場を知っておけば、大きな失敗を避けることができます。感謝の気持ちを第一に考えながら、ご自身の状況に合った形で無理なく準備を進めましょう。
お布施以外にかかる可能性のある費用
墓じまいを行う際は、僧侶へのお布施以外にも、思わぬ出費が発生することがあります。費用全体を見誤ってしまうと、あとから予算が足りなくなったり、準備不足で慌てたりすることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。ここでは、特に注意すべき代表的な費用について解説します。
お車代(交通費)
墓じまいでは、僧侶に現地まで来てもらうことが一般的です。このときにかかるのが「お車代」と呼ばれる交通費の負担です。金額の目安は5,000円〜1万円ほどで、距離や交通手段によって変動します。
注意点としては、お車代はお布施とは別に用意するのがマナーであり、封筒も分ける必要があります。表書きには「お車代」と記し、白無地の封筒または奉書紙に包んで渡します。
僧侶が自家用車で来る場合や、電車・タクシーを利用する場合は、実費を超えない範囲で包むのが一般的です。遠方から来てもらう場合は、金額を少し多めに包むと丁寧な印象になります。
御膳料(会食を欠席される場合)
閉眼供養や納骨法要の後に会食を設ける場合、僧侶が出席されないときは「御膳料」をお渡しするのが一般的です。こちらも金額の相場は5,000円〜1万円程度です。
御膳料は、文字通り「食事の代わり」として渡すものであり、形式上は飲食の席に同席いただけない場合の心づけです。渡し方はお布施やお車代と同じく、別封筒で「御膳料」と表書きをし、丁寧に渡します。
ただし、墓じまいの場では会食を設けないことが多く、御膳料が必要になるケースはあまり多くありません。僧侶を呼ぶ法要の内容によって、準備の要・不要を事前に確認しておくと安心です。
石材店や解体業者へのお礼
墓石の解体や更地への整備を依頼する石材店・解体業者に対して、別途「お礼」や「寸志」を渡すべきか悩まれる方も少なくありません。実際のところ、現在では工事費用に人件費や管理料が含まれているケースがほとんどであり、個別にお礼を包む必要はないとされています。
それでも、特に丁寧な対応をしてもらった場合や、相場よりも安価で柔軟に対応してくれた場合などには、感謝の気持ちを込めて5,000円〜1万円程度の寸志を渡す方もいます。
また、作業当日にお茶や菓子、飲み物などを用意するだけでも十分な感謝の気持ちとして伝わります。地域や昔ながらの慣習によっては寸志が根づいていることもあるため、近所の方や親族に相談して判断するのも良い方法です。
改葬許可に関わる行政費用
墓じまいには「改葬許可申請」が必要となります。改葬とは、遺骨を今ある墓地から別の供養先へ移すための行政手続きであり、その許可証を取得する際に発行手数料がかかる場合があります。費用は自治体によって異なり、無料〜1,000円前後です。
また、書類の発行にあたって必要な「埋葬証明書」「受入証明書」なども、お寺や霊園によっては発行料が求められることもあります。事前に問い合わせておくことで、余計な手間や出費を避けることができます。

このように、墓じまいにはお布施以外にも複数の費用が関係してきます。すべての費用が必ず発生するわけではありませんが、「もしかすると必要かもしれない」と把握しておくだけでも、準備の安心感が違ってきます。特に親族間で費用を分担する場合は、見積もり段階で細かく確認しておくと後々のトラブル防止にもつながります。
お布施の正しい包み方・マナー
お布施は「感謝の気持ち」を形にするものですが、その包み方や渡し方には仏事特有のマナーが存在します。適切に準備することで、僧侶やお寺に対して失礼のないようにし、ご先祖様への供養も心を込めて行うことができます。ここでは、終活を検討している方やそのご家族が安心して準備できるよう、お布施の包み方やマナーを詳しくご紹介します。
使用する封筒や奉書紙の選び方
お布施を包む際は、「白無地の封筒」または「奉書紙(ほうしょし)」が使われます。どちらも弔事にふさわしい、飾り気のないシンプルなものを選びましょう。
- 白無地封筒:郵便番号欄が印刷されていない、二重になっていない一重封筒を使用します。市販の不祝儀袋でも問題ありませんが、水引や色柄のあるものは避けましょう。
- 奉書紙:より格式高く丁寧な印象を与える包み方です。奉書紙で包む場合は、奉書紙の中に半紙で包んだ現金を入れ、慶事とは逆の折り方(下包み)で仕上げます。略式ながらも丁寧さを感じさせます。
どちらを使用するか迷った場合は、白封筒でもマナー違反にはなりません。ただし、使いまわしや派手なデザインの封筒は避けてください。
表書きの書き方と旧漢数字の使い方
封筒や奉書紙の表面には「表書き」として内容を明記します。濃墨の筆ペンまたは筆を使い、以下のように書くのが一般的です。
- 中央上部:「御布施」「お車代」「御膳料」など、用途に応じた表書きを記入
- 中央下部:贈り主のフルネームまたは「〇〇家」と記入
中袋を使用する場合、裏面または中袋に「住所・氏名・金額」を記入します。金額は旧字体の漢数字を用いて、たとえば5万円であれば「金伍萬圓也」と記載します。これは改ざん防止や格式を重んじるための慣習です。
お札の入れ方と注意点
お布施に入れる現金は、新札でも古札でも構いません。香典では「新札を避ける」風習がありますが、お布施においてはどちらでも問題ないとされています。ただし、汚れすぎた紙幣は避けた方が良いでしょう。
お札の入れ方にも作法があります。
- 肖像画が袋の表面側(表書きがある面)に向かうように入れる
- 封筒の口を上にして取り出したとき、肖像画が最初に見えるようにする
これにより、封筒を開けた際にお札の顔がすぐ見え、受け取る側にとって丁寧であるとされています。
袱紗(ふくさ)での包み方と渡し方のマナー
お布施をそのまま持参・手渡しするのはマナー違反とされています。持ち運ぶ際や僧侶にお渡しする際には、必ず「袱紗(ふくさ)」に包んでおきましょう。
- 袱紗の色:弔事では、紫・グレー・深緑・紺色などの落ち着いた色が適しています。紫は慶弔どちらでも使える万能色です。
- 包み方:袱紗にお布施袋を包む際は、左開きになるように包みます。僧侶の前で丁寧に袱紗から取り出し、表書きが僧侶に読める向きで差し出しましょう。
- 台(切手盆)の使用:可能であれば、切手盆や小さなお盆に乗せて渡すと、より丁寧な印象になります。用意が難しい場合は、袱紗に乗せたままでも問題ありません。
渡すタイミングと挨拶の言葉
お布施を渡すタイミングは、供養の前後が基本です。どちらでも構いませんが、僧侶が忙しくない落ち着いたタイミングを選びましょう。
- 供養前:「本日はよろしくお願いいたします」と丁寧に伝えながら渡します。
- 供養後:「本日は心のこもったご供養をありがとうございました」と感謝の言葉を添えて渡します。
いずれの場合も、にこやかで落ち着いた態度で対応することが大切です。お布施の金額について口に出す必要はありません。

お布施は「形あるもの」ですが、その根底には「心からの感謝」があります。たとえ形式を知らなくても、誠意をもって準備し、丁寧にお渡しすれば、十分に気持ちは伝わります。この記事を参考にしながら、ご自身のペースで準備を整えてみてください。
よくある質問と注意点
お布施は現金じゃなきゃダメ?銀行振込は可能?
基本的には現金で用意し、当日に袱紗(ふくさ)に包んで直接僧侶へお渡しするのが一般的なマナーです。しかし、近年ではさまざまな事情で銀行振込を希望される方も増えてきています。たとえば、遠方の菩提寺で立ち会いが難しい場合や、体調不良などで当日参列できないケースでは、振込による対応を受け入れている寺院もあります。
ただし、すべてのお寺が振込を認めているわけではないため、事前に確認が必要です。振込の場合でも、封筒や表書きをしたうえで、郵送にて手紙と一緒にお送りすることで丁寧な印象になります。
「いくら包めばいいですか?」とお寺に聞いても大丈夫?
「お気持ちで」と言われると、かえって不安に感じてしまう方も多いのが実情です。そんなときは、失礼にならないように次のように尋ねてみるとよいでしょう。
- 「お世話になるのが初めてで、相場がわからず…」
- 「地域によって違いがあると聞いたので、差し支えなければ目安を教えていただけませんか?」
多くの寺院では、こうした丁寧な聞き方をすれば柔らかく目安を伝えてくれます。包む側としても納得して金額を用意できるため、無理なく心のこもった対応ができます。
離檀料をめぐってトラブルになることってあるの?
あります。離檀料は明確な決まりがないぶん、金額をめぐってもめるケースも少なくありません。特に「高額な離檀料を一方的に請求された」「内容に納得がいかない」などのトラブルが発生することがあります。
トラブルを避けるためには、必ず事前に離檀の意向を丁寧に伝えたうえで、お寺の考えを確認しておくことが大切です。金額や渡し方について書面に残す必要はありませんが、家族と共有しておくと後々の混乱を防げます。
それでも納得できない場合は、宗教者向けの相談窓口や行政書士、消費生活センターなどに相談する方法もあります。自分たちだけで抱え込まず、冷静に対応することが大切です。
宗派によってお布施の作法や金額は違うの?
はい。たとえば浄土真宗では、閉眼供養の代わりに「遷仏法要(せんぶつほうよう)」という儀式を行います。儀式の名称や内容が違っても、僧侶への謝礼としてお布施を包む点は共通しています。
また、宗派ごとに読経の所要時間や儀礼の進行方法が異なるため、同じ3万円でも「十分」とされる場合もあれば、「少なめ」と受け取られることもあります。金額以上に、「適切なタイミングで」「丁寧に」渡す姿勢が大切です。
お寺とのお付き合いが深い場合は、その宗派特有のしきたりについても確認しておくと安心です。

墓じまいのお布施は、金額だけでなく「気持ちの伝え方」や「対応の丁寧さ」が何よりも大切です。慣れない儀式に不安を感じる方も多いと思いますが、一つ一つ確認しながら進めれば心のこもった対応ができます。悩んだときは無理をせず、信頼できる人や専門家に相談しながら準備を整えましょう。
まとめ:迷わず安心してお布施を準備するために
お布施は、金額の大小にかかわらず「感謝の気持ち」を伝える大切な手段です。しかし、宗教的な意味合いや地域・お寺による慣習の違い、相場が明確でない点などから、迷いや不安を感じる方が多いのも事実です。特に墓じまいは人生の中で何度も経験するものではないため、慎重に準備を進めたいと考えるのは自然なことです。
そのようなときは、まず「何に対してお布施が必要か」「いつ、いくらくらい包むのが一般的か」を整理してみましょう。閉眼供養、離檀料、納骨法要など、それぞれの場面ごとに目的が異なり、金額の目安も違ってきます。一般的な相場を参考にしつつも、「無理のない範囲で気持ちを込めて包むこと」が何よりも大切です。
また、迷ったときには、遠慮せずお寺や経験者に確認するのも有効です。丁寧な聞き方をすれば、ほとんどの場合、柔らかく目安を教えてくれるでしょう。金額を聞くことに抵抗があるかもしれませんが、後悔のない墓じまいを行うためには、事前の相談が何よりの安心につながります。
さらに、お布施の金額だけでなく、「包み方」「渡し方」といったマナー面も見落としがちです。封筒の選び方や表書き、袱紗の使い方など、ポイントを押さえておけば、形式面でも安心して当日を迎えられます。

お布施は、遺族から故人への「敬意」と、お寺や僧侶への「感謝」を形にするものです。決して豪華なものである必要はありません。大切なのは、心を込めて、相手を思いやる姿勢です。正解がひとつでないからこそ、ご家族やご自身の想いを大切にしながら、納得のいくかたちで準備を進めていきましょう。
平日10時~18時